日本ワインの醸造工程

収穫から瓶詰めまで。白ワインと赤ワインの製法の違い、樽熟成・瓶熟成、そして自然派ワインの考え方まで解説します。

醸造の基本フロー

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    収穫(ヴァンダンジュ)

    ぶどうの糖度・酸度・タンニンのバランスが整ったタイミングで収穫します。日本では8月下旬〜10月が収穫期。手摘みと機械収穫があり、高品質ワイン用には手摘みが多く採用されます。収穫したぶどうはなるべく早く醸造所へ運び、酸化や果汁の損失を防ぎます。

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    除梗・破砕(デスタンプ・フレーラージュ)

    除梗機で梗(茎)を取り除き、破砕機でぶどう粒を軽く潰します。梗を一部残す「全房発酵」を行うワイナリーもあります。白ワインはこの後すぐに圧搾して果汁のみを取り出します。赤ワインは果皮・種ごと発酵タンクへ移します。

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    圧搾(白ワインのみ)

    白ワインは破砕後、空気圧式または連続式のプレス機で果汁(マスト)を搾り出します。果皮や種を取り除くことでタンニンの少ないフレッシュな果汁を得ます。圧力や回数により、搾り汁の品質が変わります。

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    発酵(ファーマンタシオン)

    酵母の働きで果汁中の糖分がアルコールと二酸化炭素に変換されます。白ワインは低温(10〜15℃)でゆっくり発酵させることでフレッシュな果実香を保ちます。赤ワインは20〜28℃で発酵しながら果皮を液中に押し込む「ピジャージュ」などを行い、色素・タンニンを抽出します(マセラシオン)。

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    圧搾(赤ワインのみ)

    赤ワインは発酵終了後に自然に流れ出た「フリーラン」と、果皮をプレスして得た「プレスワイン」を分けます。フリーランは品質が高く、プレスワインはタンニンが強め。ブレンドの比率でスタイルが決まります。

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    熟成(エルヴァージュ)

    ステンレスタンク・コンクリートタンク・木樽などで熟成させます。オーク樽はバニラ・スパイスのニュアンスを加え、微量の酸化を促してワインを安定させます。熟成期間はワインのスタイルにより数ヶ月〜数年と幅があります。

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    清澄・ろ過・瓶詰め

    熟成後、清澄剤(ベントナイト・卵白など)でおり(沈殿物)を取り除き、ろ過して透明感を出します。自然派ワインではろ過・清澄を行わない「無清澄・無ろ過」も選択されます。最終的に瓶に詰めてコルクや金属キャップで密封し、ラベルを貼って出荷します。

白ワインと赤ワインの製法の違い

白ワインの製法

  • 収穫後すぐに圧搾
  • 果皮・種を除去した果汁で発酵
  • 低温発酵でフレッシュさを保つ
  • タンニンが少なく軽やかな口当たり
  • ステンレスまたは樽で熟成

赤ワインの製法

  • 果皮・種ごと発酵(マセラシオン)
  • ピジャージュで色・タンニンを抽出
  • 比較的高温で発酵
  • 圧搾後に樽熟成が一般的
  • フルボディのものはMLFを実施

ロゼワインの製法

ロゼワインには主に2つの製法があります。「直接圧搾法(プレジュラージュ)」は赤ぶどうを白ワインと同様に圧搾して薄いピンクの果汁を得る方法。「短時間マセラシオン法(セニエ)」は赤ワインと同様に仕込んで短時間だけ果皮と接触させ、軽い色素とタンニンを抽出する方法です。日本ではシャルドネや甲州と赤品種をブレンドするケースもあります。

自然派ワイン(ナチュラルワイン)とは

自然派ワインとは、化学農薬・化学肥料を使わない有機農法・自然農法でぶどうを栽培し、醸造時も亜硫酸塩(SO2)の添加を最小限に抑えたワインです。培養酵母ではなく野生酵母(自生酵母)を用いるのも特徴です。

日本でも長野・北海道を中心に自然派ワイナリーが増えており、ビオ認証(有機農業認証)を取得するワイナリーも見られます。無清澄・無ろ過のためオリが出やすく、瓶ごとに個性が出る点も自然派ワインの魅力とされています。